オールオン4はどこで受けられる?対応医院の選び方と確認事項

オールオン4に対応している医院を探している方へ。この治療は実施している医院が限られます。傾斜埋入の設計、抜歯即時埋入、当日の仮歯製作と、求められる技術と設備の水準が高いためです。医院選びが結果を大きく左右する治療なので、確認すべき項目を現役の歯科医院経営コンサルタント(TOSHI)が整理しました。

この記事の結論

  • 必須条件は歯科用CT口腔外科またはインプラント学会の専門資格
  • 当日に仮歯を作れる体制(院内技工士または連携先)があるか
  • 症例数を具体的な数字で答えられるか
  • 最低3院で相談する。判断が分かれることがある
  • 他の選択肢も提示する医院を選ぶ
目次

なぜ対応医院が限られるのか

オールオン4は、通常のインプラントとは要求される内容が異なります。

必要な要素内容
傾斜埋入の設計後方2本を30〜45度傾けて埋入する。神経・上顎洞を避ける精密な角度設計が必要
CTによる3Dシミュレーション骨の量・神経の位置を立体的に把握する
抜歯即時埋入抜歯した当日に埋入する技術
当日の仮歯製作手術後すぐに装着する仮歯を作る体制
長時間手術への対応4〜6時間の手術に耐えられる設備とスタッフ

特に当日の仮歯製作がハードルになります。院内に技工士がいるか、当日対応してくれる技工所と連携していないと成立しません。これが対応医院を絞る要因のひとつです。

CT・3D画像でインプラントの埋入位置と角度を確認する歯科医師
CTによる3Dシミュレーションは、傾斜埋入を安全に行うための前提条件です

必ず確認すべき7項目

1. 歯科用CTが院内にあるか

これがない医院は候補から外してください。傾斜埋入は角度の設計精度がすべてで、CTなしでは安全に行えません。

確認の仕方:「CTは院内にありますか。撮影した画像を見ながら説明してもらえますか」

外注の場合、別途撮影のための通院が必要になり、手術中の即時判断もできません。

2. 担当医の専門資格

以下のいずれかを持つ医師が担当することが望ましい治療です。

  • 日本口腔インプラント学会 専門医・指導医
  • 日本口腔外科学会 専門医・指導医
  • 日本顎顔面インプラント学会 認定医

これらは第三者機関が認定する資格で、症例数や試験に基づいて付与されます。メーカー主催の研修修了証とは性質が異なるので、区別して確認してください。

3. オールオン4の症例数

通常のインプラントの症例数ではなく、オールオン4に限った症例数を聞いてください。

確認の仕方:「オールオン4の症例は年間何件くらいですか」

具体的な数字で答えられるかが重要です。曖昧な回答しか返ってこない場合は、実施頻度が低い可能性があります。

4. 当日の仮歯に対応できるか

オールオン4の大きな利点は「手術当日に歯が入る」ことです。これが実現できない医院では、利点の一部が失われます。

確認の仕方:「手術当日に仮歯は入りますか。院内に技工士さんはいますか」

5. インプラント体のメーカー

4本で12本を支える設計のため、1本あたりの負荷が大きくなります。長期の臨床データがあるメーカーを使っているかを確認してください。

また、将来の転院や部品交換を考えると、流通量の多いメーカーのほうが対応できる医院が多くなります。メーカー名は必ず記録しておいてください。

6. 保証制度の内容

「保証あり」だけでは不十分です。以下を書面で確認してください。

  • 保証期間(何年か)
  • 保証対象(インプラント体のみか、人工歯も含むか)
  • 保証が無効になる条件(メンテナンス未受診・喫煙など)
  • 保証を受けるために必要な通院頻度

7. メンテナンス体制

3〜4か月ごとの通院を10年、20年と続ける治療です。

  • メンテナンスの頻度と1回あたりの費用
  • 歯科衛生士による専門的なクリーニングがあるか
  • 転居した場合の対応(紹介先があるか)

カウンセリングで見るべきポイント

資格や設備といった条件面とは別に、説明の仕方から分かることがあります。

他の選択肢を提示してくれるか

これが最も重要な判断材料です。

オールオン4は高額な治療です。医院側にとっては収益性が高い施術でもあります。だからこそ、総入れ歯・インプラントオーバーデンチャー・部分的なインプラントといった他の選択肢も含めて説明してくれるかを見てください。

最初からオールオン4ありきで話が進む場合は、他院の意見も聞いたほうがよいと考えます。

抜歯の理由を歯ごとに説明できるか

残っている歯を抜く判断には、歯ごとに理由があるはずです。「全部抜きます」で終わらず、どの歯がなぜ残せないのかを説明してもらってください。

リスクの説明があるか

利点だけでなく、不可逆であること・失敗の可能性・メンテナンスの負担を説明する医院は信頼できます。詳しくはオールオン4のデメリットにまとめました。

即決を求めてこないか

「今日決めれば割引」といった提案には注意してください。数百万円かつ不可逆的な治療で、当日の決断を促す必要はありません。

最低3院で相談する理由

オールオン4では、医院によって判断が分かれることがあります。

  • A院「全部抜いてオールオン4」
  • B院「上顎だけオールオン4、下顎は部分的なインプラント」
  • C院「まず総入れ歯を試してから」

こうした違いが出るのは、医師の治療方針や得意分野が異なるためです。複数の意見を聞いてはじめて、自分に合う方針が見えてきます。

相談時に持参するもの

  • 他院で受け取った治療計画書・見積書
  • 過去のCT画像(データで受け取れる場合がある)
  • 服用中の薬のリスト(骨粗鬆症の薬は特に重要
  • これまでの治療経過のメモ

比較するための記録シート

3院を回ると記憶が混ざります。以下を記録しながら回ってください。

確認項目A院B院C院
総額(最終的な人工歯まで)
インプラント体のメーカー
人工歯の素材
院内CTの有無
担当医の資格
年間の症例数
当日の仮歯
保証期間・条件
抜歯する本数
他の選択肢の提示

通常のインプラントの医院選びについては医院選びの7つのチェックポイントもご覧ください。

よくある質問

オールオン4の正式な研修を修了している医院は分かりますか?

公式サイトに書いていれば分かります。オールオン4を開発したマロ・クリニック(ポルトガル)には MALO CLINIC Education という教育プログラムがあり、修了を明記している医院があります。当サイトが名古屋16院を調べた範囲では、修了を明記していたのは1院でした。ただし研修歴の有無は治療の質を保証するものではありません。症例数・使用メーカー・保証条件とあわせて確認してください。

Q. 対応医院はどうやって探せばいいですか?

A. 医院の公式サイトで「オールオン4」「All-on-4」の記載があるかを確認するのが基本です。そのうえで、上記7項目を電話やカウンセリングで確認してください。掲載があっても実施頻度が低いケースがあります。

Q. 遠方の医院でも大丈夫ですか?

A. 手術自体は可能ですが、3〜4か月ごとのメンテナンスを続けられるかを考えてください。通院が負担になって中断すると、インプラント周囲炎のリスクが高まります。遠方を選ぶ場合は、近隣でメンテナンスを受けられる連携先があるか確認してください。

Q. 費用が安い医院は避けるべきですか?

A. 安さ自体が問題ではなく、なぜ安いのかが説明できるかが重要です。人工歯の素材がレジンだから、両顎同時の割引だから、といった理由が明確なら問題ありません。理由が不明なまま安い場合は、含まれない項目がないか確認してください。

Q. カウンセリングは有料ですか?

A. 初回無料の医院が多いですが、CT撮影は別途費用がかかる場合があります。予約時に「初回相談とCT撮影の費用」を確認しておくと安心です。

自由診療に関する情報開示

  • 治療内容:片顎4本のインプラント体を顎骨に埋入し、固定式の人工歯を装着する外科処置を伴う治療
  • 標準的な費用:片顎200〜600万円(自由診療・保険適用外)
  • 治療期間・回数:6か月〜1年・通院10回前後
  • 主なリスク・副作用:術後の腫れ・痛み・出血、骨結合不全による脱落、インプラント周囲炎、神経損傷。残存歯の抜歯を伴い不可逆的。全身状態や服薬内容により治療を受けられない場合があります

監修者プロフィール

歯科医院経営コンサルタント TOSHI

監修:TOSHI(歯科医院経営コンサルタント)

歯科医院の経営・集患支援を専門とするコンサルタント。複数の歯科医院の経営改善・マーケティング支援に携わり、インプラント治療を提供する医院の診療体制・設備・費用設計の内側を熟知している。患者の立場から「本当に信頼できる医院とは何か」を発信するため、本サイトを運営。

まとめ

  • 必須は院内CT口腔外科・インプラント学会の専門資格
  • 当日の仮歯製作体制があるかで、治療の質が変わる
  • 症例数はオールオン4に限った数字で聞く
  • 他の選択肢を提示してくれる医院を選ぶ
  • 最低3院で相談する。判断は医院ごとに分かれる

数百万円かつ不可逆的な治療です。1院の説明だけで決めず、記録を取りながら比較してください。

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